実質賃金(じっしつちんぎん)とは、物価の変動を考慮したうえでの賃金の実質的な価値を示す指標です。 ニュースでは「実質賃金がマイナス」「実質賃金が上向いた」といった形でよく使われます。
単に給料の金額が増えたかどうかではなく、そのお金で実際にどれだけのモノやサービスを買えるかに注目する点が大きな特徴です。
実質賃金と名目賃金の違い
賃金には「名目賃金」と「実質賃金」という2つの考え方があります。
- 名目賃金:給料の額面そのもの(額がいくらか)
- 実質賃金:物価の上昇・下落を考慮した実際の価値
たとえば、給料が5%増えても、同時に物価が10%上昇していれば、生活に使えるお金の価値は下がります。 このような場合、名目賃金は増えていても、実質賃金は下がっている状態になります。
ニュースで「実質賃金」が注目される理由
実質賃金は、私たちの生活実感に直結する指標のため、景気や経済状況を判断する材料として重視されます。
実質賃金が下がると、同じ生活を維持するためにより多くのお金が必要になり、消費が控えられやすくなります。 一方、実質賃金が上がれば、家計に余裕が生まれ、消費の活発化につながります。
このため、政府や日銀の経済政策、企業の賃上げ動向と合わせて、実質賃金の動きがニュースで取り上げられます。
実質賃金はどうやって計算される?
実質賃金は、名目賃金を物価指数(主にCPI:消費者物価指数)で調整して算出されます。
考え方としては次のようになります。
- 名目賃金がどれくらい増減したか
- 同じ期間に物価がどれくらい変動したか
物価の上昇率が賃金の伸びを上回ると、実質賃金はマイナスになります。 この点が、ニュースで「賃上げがあっても生活が苦しい」と言われる理由です。
私たちの生活への影響
実質賃金の動きは、日々の生活にさまざまな影響を与えます。
- 食料品や光熱費などの家計負担
- 住宅ローンや家賃の支払い余力
- 将来への貯蓄や消費の判断
実質賃金が長期間下がり続けると、節約志向が強まり、経済全体の成長にもブレーキがかかりやすくなります。
【コラム】「給料が上がっているのに苦しい」と感じる理由
「昇給したはずなのに生活が楽にならない」と感じる人は少なくありません。 その背景には、実質賃金の低下があります。
物価の上昇が続く中で賃金の伸びが追いつかないと、収入は増えても実際に使える価値は減ってしまいます。 特に、食料品やエネルギー価格の上昇は生活実感に直結しやすいため、負担感が強くなります。
ニュースで実質賃金が取り上げられるのは、こうした国民の生活感覚を数値で示す重要な指標だからです。
まとめ
実質賃金とは、物価の変動を考慮した「本当の賃金の価値」を示す指標です。
名目賃金だけでなく実質賃金を見ることで、景気の実態や私たちの暮らしへの影響がより分かりやすくなります。 ニュースで見かけたときは、「物価との関係」に注目して読み解くと理解が深まります。
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