景気後退(けいきこうたい)とは、経済活動が全体として弱まり、 企業の生産や個人消費、雇用などが減少していく状態を指します。 ニュースでは「景気後退局面」「景気後退入り」といった表現で使われ、 経済の先行きに注意が必要な状況を示す言葉です。
景気後退とは
景気後退は、景気の波(景気循環)の中で、 好況から不況へ向かう過程にあたります。 経済成長が鈍化し、企業収益や個人の所得が伸び悩むことで、 経済全体の勢いが弱まっていきます。
一時的な落ち込みではなく、一定期間にわたって 経済指標の悪化が続く場合に「景気後退」と判断されることが一般的です。
不況との違い
景気後退と混同されやすい言葉に「不況」があります。 景気後退は悪化していく途中の段階を指すのに対し、 不況は景気が底に近い状態で停滞している局面を表します。
つまり、景気後退は「これから悪くなっていく流れ」、 不況は「すでに悪い状態が続いている状況」と考えると 理解しやすくなります。
景気後退が起こる主な原因
景気後退の原因は一つではなく、複数の要因が重なることが多いです。 代表的なものには次のような要因があります。
- 個人消費の落ち込み
- 企業の設備投資の減少
- 金利上昇による資金調達の停滞
- 物価上昇による家計の圧迫
- 海外経済の減速や金融不安
これらの要因が連鎖的に影響し合い、 経済全体の動きを鈍らせることで景気後退につながります。
ニュースで「景気後退」が使われる場面
ニュースでは、次のような文脈で景気後退という言葉が使われます。
- GDP(国内総生産)の成長率がマイナスになったとき
- 企業業績や雇用統計が悪化したとき
- 金融機関や政府が経済見通しを下方修正したとき
「景気後退入りの可能性」「景気後退は回避できるか」 といった形で、将来予測として使われることも多いのが特徴です。
景気後退が私たちの生活に与える影響
景気後退は、企業活動だけでなく、私たちの生活にも影響します。 たとえば、賃上げが抑えられたり、雇用が不安定になったりすることで、 家計の先行きに不安が広がります。
また、企業がコスト削減を進めることで、 ボーナスの減少や非正規雇用の見直しなどが起こる場合もあります。
コラム|「景気後退入り」と「景気後退局面」の違い
ニュースでは「景気後退入り」と「景気後退局面」という 似た表現が使われることがあります。 景気後退入りは、これから後退に入ったと判断される時点を指し、 景気後退局面は、その状態が続いている期間全体を表します。
表現の違いを意識すると、 ニュースが伝えたい経済の状況をより正確に読み取れます。
よくある質問
景気後退になると必ず不況になりますか?
必ずしもそうとは限りません。 政策対応や海外経済の回復などによって、 比較的短期間で回復する場合もあります。
景気後退はどのように判断されますか?
GDPや雇用、生産など複数の経済指標を総合的に見て判断されます。 単一の指標だけで決まるわけではありません。
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