GMTは、ニュースや国際的な時刻表記、海外サイトなどで見かけることの多い時間表記です。UTCやJSTと並んで登場するため、「GMTって結局どこの時間?」「UTCと何が違うの?」と疑問に思ったことがある方も多いのではないでしょうか。
GMTは、かつて世界の基準として使われてきた歴史のある時刻です。この記事では、GMTの意味や由来、UTCとの違い、JSTとの関係、現在どのように使われているのかを、できるだけ分かりやすく解説します。
GMTとは何の略?
GMTはGreenwich Mean Timeの略で、日本語ではグリニッジ標準時と呼ばれます。
イギリス・ロンドン近郊のグリニッジ天文台を通る経線(本初子午線)を基準に定められた時刻で、かつては世界の標準時として広く使われていました。
なぜグリニッジが基準になったのか
19世紀後半、世界各国で時刻の基準を統一する必要が高まりました。その際、航海や天文学で中心的な役割を果たしていたイギリスのグリニッジが、世界の基準地点として選ばれました。
この経線は現在でも「本初子午線」として知られており、経度0度の基準になっています。
GMTとUTCの違い
GMTとUTCは非常によく似た表記で、日常的にはほぼ同じ意味として使われることが多いです。
ただし、厳密には違いがあります。GMTは天文学的な観測をもとにした平均太陽時であるのに対し、UTCは原子時計を基準にして、より正確に調整された時刻です。
現在の国際的な標準はUTCですが、歴史的な経緯や慣習から、GMTという表記が使われ続けている場面も多くあります。
GMTとJSTの関係
GMTと日本標準時(JST)の時差は9時間です。
- JST = GMT + 9時間
たとえば、GMTが0:00のとき、日本時間は9:00になります。逆に、日本時間が18:00の場合、GMTでは9:00です。
これはUTCとJSTの関係と同じで、実務上は「GMT=UTC」と考えて問題ありません。
現在のGMTの使われ方
現在、厳密な国際標準としてはUTCが使われていますが、GMTは次のような場面で今もよく見かけます。
- 海外ニュースや国際放送の時刻表記
- イギリスを中心とした時刻案内
- 古いシステムや資料での時間表記
- 一般向けの分かりやすい説明
特に一般向けの情報では、「UTC」よりも「GMT」の方が馴染みやすいため、あえてGMTが使われることもあります。
GMTを扱うときの注意点
GMTを見たときに注意したいのは、「それが厳密なUTCなのか、単なる便宜的な表現なのか」を判断することです。
多くの場合はUTCと同じと考えて問題ありませんが、技術的・専門的な文脈ではUTCが正式な基準として扱われます。重要な締め切りやシステム設定では、「UTC指定かどうか」を必ず確認しましょう。
覚え方のコツ:GMTは昔の基準、今はUTC
GMTは「昔から使われてきた世界の基準時間」、UTCは「現在の国際標準」と覚えると理解しやすくなります。
日常的には両者を同じものとして扱っても大きな問題はありませんが、ITや国際的な場面ではUTCが正式である、という点を意識しておくと安心です。
まとめ
GMTは「グリニッジ標準時」を意味し、かつて世界の基準として使われてきた時刻です。現在の国際標準はUTCですが、日常的な文脈ではGMTも今なお広く使われています。
JSTとの時差は9時間で、実務上はUTCと同じ基準として扱われることがほとんどです。UTC・JSTとあわせて理解することで、国際的な時刻表記に強くなります。
























