ニュースでよく耳にする「閣議決定」という言葉。
政府が重要な方針を決めた場面で使われますが、「法律が決まったの?」「国会とは何が違うの?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
この記事では、閣議決定の意味・仕組み・国会との関係を、ニュースの文脈に沿って分かりやすく解説します。
閣議決定とは
閣議決定(かくぎけってい)とは、内閣総理大臣と国務大臣(閣僚)全員が出席する「閣議」で、政府としての方針を正式に決めることです。
国の予算案、法案の提出、外交方針、防衛政策など、政府として統一した判断が必要な重要事項は、原則として閣議決定を経て決まります。
閣議では何が話し合われる?
閣議で扱われる主な内容は次のようなものです。
- 国会に提出する法案
- 予算案・補正予算
- 外交・安全保障などの基本方針
- 政令・省令などの重要事項
ここで決まった内容は、「政府の公式な意思」として対外的にも示されます。
閣議決定=法律が決まった、ではない
ここで注意したいのが、閣議決定は法律の成立とは別という点です。
多くの場合、法案は次の流れで進みます。
- 内閣で方針をまとめる(閣議決定)
- 国会に法案を提出
- 国会で審議・採決
- 可決されて法律成立
つまり、閣議決定は「政府案として決めた段階」であり、最終的に法律として成立するかどうかは国会次第です。
ニュースで「閣議決定」が使われる場面
ニュースでは、次のような表現で使われることが多くあります。
- 「政府は○○法案を閣議決定しました」
- 「○年度予算案が閣議決定されました」
- 「新たな方針を閣議決定し、国会に提出へ」
この段階では「政府の考えが固まった」と理解すると、ニュースの流れがつかみやすくなります。
コラム:なぜ全員一致が原則なの?
日本の閣議は、原則として全員一致で行われます。
これは、政府として対外的に発信する以上、内部で意見が割れていては混乱を招くためです。
実際には、事前に官僚や与党内で調整が行われ、閣議は最終確認の場として機能するケースが多いとされています。
そのためニュースでは「異論は出なかった」「事前調整が難航した」といった背景説明が添えられることもあります。
まとめ
閣議決定は、政府としての正式な方針決定を意味する重要な言葉です。
- 内閣が一致して方針を決める
- 法律成立とは別の段階
- 国会審議の前段階として使われることが多い
ニュースで「閣議決定」という言葉が出てきたら、「政府の考えが固まった段階なんだな」と理解すると、報道がぐっと分かりやすくなります。
























